【モヒカン故郷に帰る】の感想や考察:リアリティあるドラマチックな映画モヒカン故郷に帰るの評価

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こんにちは!

今回書かせていただくのは、映画「モヒカン故郷に帰る」の感想です!

私、映画は土屋アンナとか深キョンが出てる「下妻物語」がめっちゃ好きなんですが(くだらなくて笑えるし下ネタ多め、女子力比較的最低のチョイス)、「下妻物語に勝るとも劣らない、不良出てきて笑える映画観たいなあ~なんか無いかなあ」と思ってて(笑) それで目にとまったワードが「モヒカン」。

観終わった感想は、「まあ、私もちょっとくらいは親孝行してやらないとなあ」。

評価は星4.5です!!

予告編・映画の基本情報

【監督・脚本】沖田修一

【題名】モヒカン故郷に帰る

キャスト・登場人物

田村永吉:松田龍平

髪色が緑の奇抜なデスボモヒカンバンドマン。このお話の主人公です。意思が弱く決断力に欠けますが、後半では父親のために奔走する姿も見せます。

田村治:柄本明

永吉の父親で、息子の名前にまで同じにするほどの生粋の矢沢永吉ファン。頑固な性格で、中学校の吹奏楽部のコーチを務めています。このお話の序盤で癌と診断されます。

相沢由佳:前田敦子

永吉の恋人。職業はネイリストです。頭はよくないけど、良い子です。

田村春子:もたいまさこ

永吉の母。田村家の家長は、どちらかと言えばこの人です。

田村浩二:千葉雄大

永吉の弟。ほんわかしていますが、兄よりはしっかり者です。

ほか

あらすじ

モヒカン頭のバンドマン田村永吉が、妊娠した彼女の由佳を連れて故郷へ帰る。結婚報告をする永吉が故郷へ帰るのは実に7年ぶり。

家族の久しぶりの再会に父が怒ったり母が喜んだり弟は驚いたりするが、その日の夜は近所の人を集めての大宴会を開く。しかしその後父親が倒れ、医者から癌と診断される。父の死を意識した永吉や周りの人間は、徐々に徐々に変わっていく。

本編の感想

小さな島の閉塞感や距離の近さが、効果的に観客を映画の中に引き込んでいきます。ややデフォルメされた感じもありますが、私は好きです。映画だし、このくらいやっても良いのかなと思いました。

子供が生まれることと、親が死ぬこと。そして、まだ生きていくこと。家族を軸に、命について3つの点から考えられる作品でした。

よかったところ(ネタバレなし)

落差・ギャップ

笑えるシーンと泣けるシーン、どっちもあったのが良かったです!ベルで返事をする患者とか、めちゃくちゃ笑えた(笑) その笑えるシーンと、真剣に話すシーンや胸にグッとくるシーンとの落差・ギャップが心をつかみました。

千葉雄大がグッド

最近ドラマ「高嶺の花」を見てるんですが、私ドラマ自体は好きでも「高嶺の花」の千葉雄大は嫌いです(笑) 「桜蘭高校ホスト部」とか「黒崎君の言いなりになんてならない」とか、あとなんだっけ。山田悠介出てて、千葉雄大が入れ墨入った執事役のやつ。まあいいや、あんなかんじのふわふわ千葉雄大のイメージが強すぎて、なかなかブラック千葉雄大を受け入れられないのです。ババアとのベッドシーンももう見たくない……。あと、妹との謎のプレイやめてほしいです、目隠しして生け花とか。(切実)

いや、違うんですよ!千葉雄大とか「高嶺の花」の悪口言いたいわけじゃなくて!!

今回の千葉雄大はベリーベリーグッドでしたっていう話です!!!!ほんわかしたかんじの中にも、この病院が良いと思うんだ、とかほっそりしてはいるけどちゃんと芯のあるかんじがとても良かったんです!!あと、ラブミーテンダーいい曲よね!!!!!(笑)

リアリティ

親が年老いていくのって、子供からすると凄く悲しくて、さみしくて、めんどくさくてムカついて、でもやっぱりさみしくて、それを受け入れなくちゃいけなくて、凄く凄く複雑なことです。

私は親不孝な娘なので、時々父や母に、この飲んだくれジジイどこまでポンコツなんだオメェは!とか、くそババア世間知らずが何ほざいてやがんだてめえコラ!とか、心の中では酷いことを叫んでいるわけですが(本当に酷い)。それでもたぶん、あと30年とか経って死ぬってなったら悲しいと思います。

永吉みたいに、親のために何かしてやらなくちゃって思うだろうし、悩むし、もしかしたらこっそり泣くかもしれません。血縁者である上に、きちんとそれなりに手をかけて育ててもらったら、たぶんほとんどの人はそうです。私の父は白髪が増えてきて体の不調が多くなったし、母は時々老婆のような表情でボーっと座るようになりました。たぶんまだまだ死なないけど、それでも私にはそれがすごく腹立たしくて怖くて嫌です。

親からすると、老いるということはやるせなくて悲しいし、情けないし、自分にも周りにも腹が立つし、心配はかけたくないし、それでもやっぱり徐々に何もできなくなっていって、怖くって、親もきっと複雑なんですよね。私は老いて死ぬような歳じゃないし娘も息子もいないから、まだわからないんですけど。

人が死ぬということに付随して、周囲も本人も各々が複雑な感情を伴います。わざとらしくなさ、って言うんでしょうか。そんな様子を含めたリアリティが、この映画には流れていました。

永吉「俺も最近知ったんだけどさ。親って、死ぬんだな。」

父のやりたいことメモ ”えーちゃんにあいたい”

父「(ライブとかじゃなくて)見舞いによ。へへへ、へへへへっ……。」

父「お前のう、もう東京帰れ。気持ちはようわかったけえ。……お前に優しくされると、明日にでも死ぬような気がするんじゃ。」

登場人物が気持ちをポロポロ吐き出すのがとても自然で、でも台詞の端には切実なものが見えて、見ていてほろっと来ます。

※以下ネタバレを含みます。嫌な方は飛んでください!!

あまりよくなかったところ

あまりよくなかったのは、お父さんの最期の迎え方。永吉たちの結婚式で、誓いのキスの最中に突然むっくり起き上がって、BGMにデスメタルが流れお父さんがみんなにガラガラ運ばれて行き追いかけきれずに全員がコケて、お父さんを乗せた暴走する担架がドアに勢い良くぶつかる。このシーンは無理に笑わせようとせずにもっともっと丁寧に見せてほしかったです。あまり笑えなかったし、そこがちょっと残念でした。

あとはあまり思い浮かばないです。しいて言うなら、由佳の弟がめっちゃウザイことくらい(笑)

好きなシーン

私が好きなのは、由佳(前田敦子)とお母さん(もたいまさこ)のシーンです。

母「料理なんて、大体めんつゆ入れときゃあ何とかなるけえ。」

由佳「めんつゆサイコー。」

母「投入。」

由佳「ラジャー。」

この2人、嫁姑のいざこざが無いんです。それは、お母さんが息子が選んだ相手として由佳をすぐに受け入れたことと、由佳はバカだけど素直で人柄が可愛いからだと思います。この2人のやり取りは微笑ましくて、ネイルをしてあげたり一緒に料理をしたり、ちょいちょい出てくるシーンで毎回ほっこりします。

ボケてしまったお父さんが2人の様子を見て、由佳を「母ちゃんの友達かのう?」と言うのにも納得できます。

私の家は父が入り婿なので祖父と父の関係が超険悪なんですが、この2人は良いなあーとずっと思っていました。うちの男衆でもほっこりできたらいいのに。(笑)

この映画をひとことで表すと

「笑えて泣ける、リアリティあるドラマ」

一つ一つはドラマチックな出来事ですが、持ち合わせた感情は普通の家族にも存在するリアリティのある共通項だと思います。また、お客さんを笑わせてやるぞ、とか、泣かせてやるぞ、といった気負い立ったかんじが無いのも良かったと思います。

まとめ

私が求めていた「下妻物語」みたいな作品ではなかったです。でも、観てよかったなと思える作品でした。観ながら色々なことを考えました。

とりあえず、明日から両親にちょっとくらい優しくしてやろうかなあと思います(笑)

長文にお付き合いいただきありがとうございました!「モヒカン故郷に帰る」、ぜひ観てみてください!!