【西の魔女が死んだ】感想や考察:マイナスイオンのおすそわけ映画「西の魔女が死んだ」

こんにちは!!

今日の映画は「西の魔女が死んだ」です!

原作を少しだけ読んでいたので、U-NEXTで見つけて、懐かしいー!!!となったのが鑑賞のきっかけです!

観終わった感想は、「穏やかな気持ちになれる映画」。

評価は星4です!

映画の基本情報

【監督】長崎俊一

【題名】西の魔女が死んだ

【原作】梨木香歩の小説

キャスト・登場人物

おばあちゃん:サチ・パーカー

まいのおばあちゃんで、イギリス人。どんな人にも優しく接します。娘からは西の魔女と呼ばれています。

まい:高橋真悠

このお話の主人公です。中学生になってから不登校になってしまい、おばあちゃんの元で療養をすることになりました。

ママ:りょう

イギリスと日本のハーフ。まいの母親です。

パパ:大森南朋

まいのお父さん。単身赴任中です。

郵便屋さん:高橋克実

陽気な郵便屋さん。息子もいます。お酒には弱いみたいです。

ゲンジ:木村祐一

おばあちゃんの近所に住んでいる、ちょっと人相悪めのおっさんです。

あらすじ

まいの元におばあちゃんが危篤だと連絡が来る。おばあちゃんの家に向かう車の中でまいは、おばあちゃんと過ごした2年前のことを思い出す。

まいは中学校に入学したばかりの頃、不登校になってしまい、しばらくの間、おばあちゃんの元で2人で暮らしていた。そこで、まいは「魔女」になるための修行をすることになる。その修行は、「なんでも自分で決めること」だった。

魔女になるための修業として、規則正しい生活・ジャムを作る・自然と触れ合い、お気に入りの場所を作るなど、概ねは順調だった。しかし、おばあちゃんの知り合いのゲンジさんに、まいは嫌悪感を覚える。

魔女修行から3週間ほどたった朝、おばあちゃんの家の鶏小屋が荒らされていた。その日の夜、鶏の死に関連して人が死んだらどうなるか、という話題になる。おばあちゃんは魂が身体から離れて自由になることとまいに言い、おばあちゃんが死んだときまいに教えるという約束をする。

ある日、ゲンジさんがまいのお気に入りの場所の境界のところを耕している場面に遭遇してしまう。動揺したまいはおばあちゃんに対してゲンジさんを罵倒する。それに対しておばあちゃんはまいの頬を打ってしまう。この時の確執が解けることのないまま、まいはおばあちゃんと別れ両親と一緒にT市に住むことになった。

2年後、おばあちゃんが死に、まいたち家族はおばあちゃんの家に行く。結局わだかまりを解消できないままだったことをまいは後悔する。しかし、以前に約束したおばあちゃんが死んだときの約束の痕跡を見つけ、まいは泣きながら「おばあちゃん、大好き」と呟く。

(Wikipediaより引用)

本編の感想

とっても癒やされて、穏やかな気持ちになれる映画でした。

よかったところ

食べ物が!!

食べ物が、めちゃくちゃ美味しそう!!!

おばあちゃんが出してくれるサンドイッチやスープやクッキーの美味しそうなこと!

自然に囲まれて生きる、丁寧な暮らしぶりがよく伝わってきます。

このことで、思い出したことがあります。小さい頃、叔母から「料理の味にはその時の気持ちが表れるの。泣きながらとか怒りながら作った料理は美味しくないんだよ。優しい気持ちで作ると優しい味になる。笑って美味しく作りなさい。」と言われたことがありました。

叔母は調理師の免許を持っていて、叔母の料理はいつもとても美味しいです。背が伸びてやっとまな板に手が届くようになってから、私は叔母や父に教わってよく料理をしました。些細なことで怒りながら料理をしていた時に言われたのだったと思います。

この映画のおばあちゃんが作る料理は、優しい味で美味しいものだと思います。彼女の心や声や表情が、それを感じさせてくれました。

とても素敵なおばあちゃんですよね。私のおばあちゃんの料理も美味しいですよ。最近ボケてるからたまに味が変だけど(笑)

演技

サチ・パーカーの演技力が抜群でした。特に怒る演技。まいをビンタする場面があるのですが、これはかなり難しいですよ。

怒鳴りつける、とか、手を上げる、という演技は、相手との信頼関係の上で成り立つものです。

私、芝居の中では相手役を怒鳴りつけたりとかビンタしたりしますが(もちろんされることもあります)、そういう演技はやはり何度やっても躊躇います。本当に関係が崩れてしまったり、怖いと思われてしまったりする可能性もあるし、自分の暴力的な一面を晒すことにもなるからです。

演技とはいえ、相手役、観衆、そして自分さえも、自分を怖がったり嫌ったりしてしまうかもしれないという恐怖との戦いです。力の弱い子供相手となると、大変だったろうなと思います。

人は気持ちが動いてから身体が動くというのが、圧倒的に多いです。これ、センター試験の小説の分野とかにも言えることです!

きっと、いつも温厚なおばあちゃんの気持ちが溢れて、それが手に出てしまったのですよね。

あまりよくなかったところ

登場人物の背景

どうしてその人物はその発言をするのか、登場人物がその行動に至ったのはなぜなのか、こちらが分析して考察できるくらいの情報がもっとほしかったです。

まいがおばあちゃんのところへ来なければならなかった理由はなんとなくわかりました。では、その時まいは小さな存在なりに何を考えていたのか、そこがわかりませんでした。

他にも、両親の普段の様子はどうか、ゲンジさんはおばあちゃんとどんな関わりがあったのか、おじいちゃんはどんな風に過ごしていたのか、そこももっともっと見たかったです。

印象に残ったシーン

まいのゲンジさんに対する「あの人なんか、死んじゃえばいいのに!」という台詞。このシーンは印象的でした。

「死ね」という言葉は、子供が知り得る最高級の否定語です。そこに含まれる感情は大人のそれよりも複雑なんですよね。子供は自分の気持ちを表現するための言葉を知らないから、誤解を生んだり上手く伝えられなかったりします。大人は心の機微を伝える言葉を知っているから、それを使い分けて感情を表現します。

例えるとすれば、ぬり絵の色えんぴつですね。ちょっと上手い人って、少ない種類の色でもリアルに塗るじゃないですか。同じ画材でもタッチの強弱や濃淡があるのが大人、無いのが子供。同じ色でも場所によって違いがあることで、複雑な絵でも塗り分けができる。そして、言葉を知る度に持っている色の種類はどんどん増えていきます。また、陰影や模様をつける場合もあるでしょう。より複雑な表現が可能になりますよね。子供はそんな技術を持ち合わせていないから、薄く塗るか濃く塗るかの二択です。

それで、まいが力いっぱい塗った色が「死ね」なのだと思います。

子役って大変だなあと思います。役者って自分を投影しながら演技をしていくことが多いと思うんですけど(観察力も真似る力も大事ですが)、人生経験が少ないぶん持っている引き出しの数も多くないため、想像でしか補えないのが難しい部分だと思います。まい役の高橋真悠も、かなり頑張ったのではないでしょうか?彼女の演技も、良かったと思います。

この映画を一言で表すと

「マイナスイオンのおすそわけ映画」。

とにかく、癒される。

落ちこんだ時には、この映画のおばあちゃんの側にいてゆっくり流れるまいの時間に心を寄せて見るといいと思います。とても癒やされます。

心が、浄化されるかんじがします。

まとめ

「西の魔女が死んだ」、原作を読み直そうと思います。

みなさんも、是非見てみてください!!