【おんなのこきらい】感想や考察:ビターでポップな失恋映画「おんなのこきらい」

こんにちは

今日の映画は「おんなのこきらい」です!

鑑賞のきっかけは、行く先々で「あなたへのおすすめ」の欄に出てくるから(笑) これおすすめされるって私はどんな女だよ!!!とツッコミを入れながら鑑賞スタート。

見終わった感想は、「女子として、刺さるなあ……痛いなあ……」。

評価は星3.5です!

映画の基本情報

【監督・脚本】加藤綾佳

【題名】おんなのこきらい

【音楽】ふぇのたす

キャスト・登場人物

和泉キリコ:森川葵

デザイン会社に務めるOL。可愛いことが取り柄。過食症で、沢山食べては吐いてを繰り返している。性格最悪です。

高山幸太:木口健太

キリコが仕事先で出会う男性です。キリコの専門学校時代の同級生。

ユウト:谷啓吾

キリコが通うバーのマスター。

サヤカ:井上早紀

バーで最近働き始めた女の子。

他多数出演

あらすじ

過食症のOL・和泉キリコは、可愛さを武器に職場や合コンで異性の心を手玉に取ることを喜びとしてきた。同性からの悪口は嫉妬と切り捨てて意にも介さない。しかし、そんな彼女の前に自分になびかない幸太が現れてから、キリコの人生観が狂い始める。

(Wikipediaより引用)

本編の感想

心をえぐられる映画でした……。

おんなのこ、嫌いです。おとこのこも、みんなみんな嫌いです。

人間の清い部分を見せる作品ではないので、苦味も美味しさだよねって言えるような大人に見てほしい作品でした。

よかったところ

森川葵

脚超細くてかわいかったです。モデルなだけあって、スタイル抜群でした。可愛いだけじゃなくて、演技も良かったです。ぶりっこモードの声と本性モードの声の出し方の違いとか、センスを感じました。

笑ったり泣いたり怒ったり、感情が忙しい役どころでしたが、とてもリアルでした。女の子の心は変わりやすいですからね。特に恋にのめり込むと、女の子は手のつけようがない馬鹿になるので、よくハマった演技だったと思います。

それから、「あたし、可愛いので。」って、演技でもなかなか言えなくないですか?私は無理です。彼女の美しさあっての説得力だなと思いました。

彼女を見ていて、私もわがままになりたいなあなんて思いました。このくらい顔が綺麗だったらね。

衣装・ヘアメイク

服装や髪型がキャラクター性の表現に一役買っていました。

キリコの服、とても可愛かったし似合っていました。あの体型じゃなきゃ着られないですよ。一般人には無理ですね(笑)

そして、茶髪ロングの巻き髪は可愛いよ。法則だよ。反則だよー。

他にも、パッとしないかんじの子は黒髪、とか、髪型からキャラクターがわかるのが良かったです。

あまりよくなかったところ

演技力の差

モブのキャストの演技がイマイチでした……。せっかくなんだからこだわって作れば良いのに……惜しかったなと思いました。

笑う演技はボロが出ますよ。声を出さずに不敵な笑みを浮かべる、とか、もっと演出でカバーできる方法もあったんじゃないかなと残念でした。私も出来なくて一人で「狂い笑い」の練習をしたことがありますが、3時間くらいで出来るようになったので、役者さん頑張れば出来るのになあ…とも思いました。口に手を当てて引き笑いが1番最悪です。笑いの演技が上手い人が真に上手い役者ですよ。

見分けがつかない

特に女性。似たような見た目の人が多くて、あれ?この人敵じゃね?とか、結構わからなかったです。声や喋り方に特徴をつけるとか、なんかもっとわかりやすくしてくれたら親切だよねと思いながら見ました。

音楽の入れ方

曲がかなりポップなので、ええ…今入れる??っていうタイミングも複数ありました。ボーカルがとても可愛くて甘い声なので、アーティストにこだわりすぎず複数のバンドを使っても良かったのかなと思いました。

あと、友情出演は別に良いですが、本編に深く関わってないのにいっぱい出てくるのはちょっと違うかなと思いました。バランスが難しいですね!

印象に残った台詞

「おんなのこは可愛くなきゃ見てもらうことすら出来ないの。」

このキリコの台詞、とても刺さりました。

本当にその通りだと思ったからです。

私、1年で14kg激痩せしたことがあるんですが、そのときに思ったことがあります。痩せたら周りの人たちが急に優しくなったんです。お菓子をもらったり、初対面の人からも声をかけられることが多くなりました。見た目って残酷だなと思ったのをよく覚えています。

私が思うのは、外見は内面の1番外側だということです。第一印象が大事ってよく言うけど、はじめましてで見えるのは外見なんですよね。「人は見た目が9割」という本がありますが、全くその通りだと思います。酷い世界ですよね。

美人はブスより生涯で得られる利益が多いそうです。なんかのTVで言ってました。かわいいね飴あげるよ、とか、綺麗だからオマケしてあげるね、とか、金銭的にも得をするのだそうです。

ブスは、見てさえもらえない。見てすらもらえてないんですよ。

これは男性からだけでなく、女性からもです。女にとって、美人な知り合いがいることはステイタスなので。類は友を呼ぶっていうことわざがあるじゃないですか。あれの、良い意味で使うバージョンです。利用するんです。みんながそうとは言いませんが。。

大袈裟かもしれませんが、おんなのこたちは存在として認めてもらうために、努力して可愛くあり続けなければいけないんです。大変だよね…って思いながらキリコを見ていました。

この映画を一言で表すと

「ビターでポップな失恋映画」。

こちらの映画、苦味たっぷりです。

鑑賞後に爽やかさはあまりありません。終わり方も微妙でぜんぜんスッキリしないです!(笑) でも、なんか、これわざとなのかな?と思ってしまうくらい、全編通して苦味・えぐ味を感じます。

私のような荒んだ女は、エゴとか傲慢さとか汚いところこそが人間らしさだと思っているので、物語の終わりは何もかも上手くいっていつまでもいつまでも幸せに暮らさないのをよくわかっているつもりです。私の短い人生経験から見ても、これだけは悪い夢だったら良いのにと思うことは大体現実なんですよね。

そういうリアルが見られたのが良かったです。

まとめ

これを見て、というか、見る前からというか、思ったことは「人間って最悪」っていうこと。登場人物、クソばっかりでした(笑)

人間には、みんな汚い部分があると思います。そういうところが1番共感しやすかったりします。完全に崇高な人はいない、どこか決定的な欠点があるのが人間なのかなとか私は思っています。

「おんなのこきらい」、ちょっと大人になったかんじがします。是非見てみてください!!